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クラブワールドカップに迫る“猛暑”の脅威:FIFAは対応できるのか?


FIFAクラブワールドカップ2025
の多くの試合が30度以上の猛暑の中で開催される見通しであり、選手や観客にとって熱中症の危険性が高まっています。

米国気象局によると、今週末のマイアミロサンゼルスでは中程度の熱波リスクが予想されています。気温が30℃を超えると見られ、「日中の暑い時間帯に屋外で激しい活動を行う人々」が影響を受ける恐れがあると警告しています。

湿度も高くなる予想ですが、幸いにも最も暑い時間帯はすでに過ぎています。しかし、6月15日にパサデナのローズボウルで予定されているPSG対アトレティコ・マドリードの一戦日中開催となり、選手や観客への負担が懸念されています。

クラブワールドカップを巡る議論と課題


FIFAクラブワールドカップはこれまでにも過密日程の問題、FIFAによるクラブ大会への介入、チケット販売の不振など、さまざまな課題に直面してきました。

しかし、これらの課題はFIFAの対応である程度克服できるものでした。
今回問題となっている**“猛暑”と気候変動**は、FIFAでさえもコントロールできない新たな課題となっています。

実際、アメリカは過去最も暑いワールドカップの開催地として知られています。
1994年のアメリカW杯では、アイルランド対メキシコ戦で気温が40度に達しました。その後30年間でアメリカの平均気温は1度以上上昇し、過去10年間で9回も史上最高の暑さを記録しています。

昨年行われたコパ・アメリカでも、ウルグアイ代表のロナウド・アラウホ選手が試合中に脱水症状によるめまいで前半途中に交代。また、カナダ対ペルー戦では副審のウンベルト・パンホフ氏が試合中に倒れ、医療処置を受ける事態となりました。

カナダ代表のアリスター・ジョンストン選手は、摂氏38度の体感温度の中で試合を行うことについて「観客にとっても安全ではない」と批判しました。

FIFAの対策は十分か?

クラブワールドカップ2025の63試合中、35試合が午後5時以前にキックオフ予定です。
Fossil Free Footballの調査によれば、会場となる11のスタジアムのうち8つは屋根がない、もしくは部分的な屋根のみ。さらに**過去5年間で4つの会場が30度以上の“猛暑イベント”**を経験しています。

現在のFIFAルールで認められている猛暑対策は、WBGT(湿度や風を含めた暑さ指数)が32度を超えた場合に各ハーフで1回給水タイムを設けることだけです。

この規定は2014年ブラジルW杯から導入されましたが、**選手会(FIFPro)**はこれでは不十分だと主張しています。FIFProは、WBGTが28〜32度に達した時点で給水タイムを導入し、さらに必要に応じて1ハーフ2回の給水も認めるべきと提案。また、32度を超えた場合は試合時間の変更も求めています。

FIFProの広報担当者は**「オーランドやマイアミのような場所での猛暑は、プロサッカー選手にとって重大な健康・安全問題だ。FIFProは今後数週間にわたり状況を厳しく監視し、選手の健康を最優先事項として対応していく」**と述べています。

FIFAの今後の対応に注目


FIFAも毎日試合会場の状況を監視し、追加措置を検討するとしていますが、6月13日時点では新たな対策は発表されていません。試合日程の変更についても、放映権の都合大会スケジュールの過密さから、柔軟な対応は難しい状況です。

この新たな課題に対して、FIFAは選手と観客の安全をどのように守るのか――その対応に世界中の注目が集まっています。