動脈硬化(どうみゃくこうか)は、血管が硬くなり、血液の流れが悪くなる病気で、命に関わる重大な疾患の一つです。動脈は心臓から酸素や栄養素を全身に運ぶ役割を担っており、これが詰まったり狭くなったりすると、様々な合併症が引き起こされます。
一般的に、動脈硬化は中高年に多いとされますが、最近では若者の間でも増加傾向にあります。喫煙、過度な飲酒、脂っこい食事、インスタント食品などの生活習慣が主な原因とされています。
放置すると、心筋梗塞や脳卒中などの深刻な病気につながる可能性があります。以下に、早期発見のために知っておくべき主な症状を紹介します。
1. ふくらはぎ、太もも、股関節の痛み
歩いたり安静にしている時に足に痛みやこむら返りを感じる場合、それは動脈の閉塞のサインかもしれません。足の筋肉に十分な血液が届いていないことで起こるもので、痛む場所は詰まりのある動脈の位置によって異なります。
2. 胸の痛み(狭心症)
動脈硬化が心臓に血液を送る冠動脈に影響すると、胸の締めつけるような痛みが生じることがあります。これは狭心症と呼ばれ、重症化すると突然の心筋梗塞につながる恐れがあります。
3. 片目だけの一時的な視力喪失
**頸動脈(けいどうみゃく)**は脳や目に血液を供給する重要な血管です。ここが詰まると、一時的な視力障害が起こることがあります。完全に詰まった場合、脳梗塞を引き起こすこともあります。
4. 息切れ(呼吸困難)
階段を登ったり軽く運動しただけで息が上がる場合、冠動脈に問題がある可能性があります。この症状を軽く見る人も多いですが、時にはこれが唯一の心疾患のサインとなることもあり、注意が必要です。
5. 手足の冷たさ
足や手が異常に冷たく感じる場合、それは**末梢動脈疾患(PAD)**の兆候かもしれません。血流が悪くなることで、体の末端に温かい血液が届かず、冷たさやしびれを感じるようになります。この状態は、他の臓器の動脈にも問題が起きている可能性があり、心筋梗塞や脳卒中のリスクが高まるサインです。
おわりに
動脈硬化は静かに進行するため、自覚症状が出たときにはすでに進行していることもあります。特に最近では、20代や30代でも発症するケースが増えており、若いうちから生活習慣を見直すことが大切です。
これらの症状が見られた場合は、軽視せずに早めに医療機関で検査を受けましょう。予防こそが最大の治療です。