メッシは今もなおサッカー界を震撼させる存在だ

彼らはこう思っていた――メッシはもう終わったと。

アルゼンチンのスターがインテル・マイアミに移籍して以来、多くの人が「引退フェーズ」に入ったと決めつけた。友人たちとBBQを楽しみ、オープンカーでブリッケルを走り、ハワイアンシャツを着てリラックスした笑顔を浮かべる――そんな姿を想像していた。

彼らにとって、あの偉大な旅路はもう終わったことになっていた。今やメッシはただのブランドであり、「星条旗の国」で静かに暮らしているだけの存在だと。もはやサッカーの議論でも名前が挙がることはなく、彼がどのクラブでプレーしているかさえ思い出せない。

彼らにとって、メッシは終わった選手だった。

だが――レオ・メッシ自身はそうは思っていない。
そしていつものように、彼は何も語らず、ただピッチに立ち、プレーするだけで答えた。

37歳――同世代の多くがすでに引退し、過去の影のようにしか映らない今、メッシだけが依然として人々の視線を集め続けている。
FIFAクラブワールドカップ2025のような大会でさえ、「もうモチベーションはないだろう」と思われていたその場所で、メッシは再び世界を振り向かせた。

豪快なゴールや華麗なドリブルがなくともいい。たったひとつのパス、ひとつの巧みな動きだけでこう言うのだ――
「まだここにいる。サッカーはまだ俺を中心に回っている。」

この20年間、人々はメッシのすべてを見てきた。
成長ホルモン治療から、「ロッカールームの独裁者」と揶揄された性格まで。バロンドール受賞に「贔屓」と疑いの目が向けられ、終わりなきクリスティアーノ・ロナウドやマラドーナとの比較に晒されてきた。
メッシのキャリアは、サッカーファン自身による理不尽な懐疑と攻撃に満ちていた。

そしてカタールW杯2022――彼はすべての疑念に終止符を打った。
世界王者という完璧なエンディング。それで一区切り――そう思えた。
しかし、メッシにとって物語はまだ終わっていなかった。

彼はもう何も証明する必要はない。だがピッチに立つたびに、また話題になる。
インテル・マイアミでは、ただの選手以上の存在。クラブの象徴であり、魂そのものだ。
多くの人が「格下」と見なすこの大会ですら、彼は依然として他の誰よりも注目される存在であり続ける。
皮肉なことに、今ピークを迎えている若手選手たちよりも、メッシの名前の方が世界で語られる。

もはや彼は若き日のように爆発的なスピードで突破することも、5～6人をドリブルで抜き去ることもない。
だが彼は知性と直感でプレーする。 20年間スポットライトを浴び続けてきた者だけが持つ境地だ。
多くをしなくてもいい――たった一瞬で、試合を変えてしまうのだから。

2025年6月20日未明、FCポルトとの試合で決めたあのフリーキック――まさにその象徴だった。
インテル・マイアミが2-1で勝利し、決勝トーナメント進出へ大きく前進。
あの試合がここまで語られるのも、すべてメッシのひらめきによる瞬間があったからだ。

「もうメッシの時代は終わった」と断言していた者たちも――否応なしに考えを改めざるを得ない。
認めたくなくても認めざるを得ない――メッシのクラスは決して失われない。
ただ、彼は違う方法でそれを表現しているだけだ。
静かに、しかし中心であり続ける――それこそが最大の脅威だ。

メッシは昔からそうだった。
騒ぎはいらない。大きな舞台も必要ない。
ただ転がるボールがあれば、彼はその中心に立つ。

それだけで十分――メッシを疑ったすべての者に頭を下げさせるには。
だが本当にサッカーを愛する者にとって――それでは決して足りないのだ。

メッシがFIFAクラブワールドカップで傑作ゴール。
2025年6月20日未明――メッシの輝きがインテル・マイアミを2-1の勝利へと導き、ポルトを破って世界を再び驚かせた。